ピル服用の避妊効果作用

避妊目的の場合

低用量ピルの避妊効果

低用量ピルは、ごく少量の女性ホルモンを毎日服用することで、体内のホルモンバランスを妊娠中のものと近付け、排卵を起こさなくすることによって妊娠を予防します。28日で1周期とし、女性ホルモンを摂取するのは21日~24日で、新しい周期に入る前に7日~4日の「休薬期間」が必要となります。低用量ピルの妊成功率は、ほぼ100%近くだと言われています。女性の体は、体内の黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)の量で妊娠中かどうかを判断しており、妊娠中には排卵が行われません。要するに、体内の黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)量を妊娠中と同様に保つことで、妊娠を防いでいるのです。 開発された当初は黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)だけの薬でしたが、より避妊効果を向上するために、現在では卵胞ホルモン(エストロゲン)も含まれた混合ホルモン剤が主流になっています。低用量ピルは毎日飲み続ける事が必要です。2日以上飲み忘れると、避妊効果がなくなってしまうので注意が必要です。 1日忘れでしたら、気付いたその時に前日の分を1錠飲み、その日の分も飲むことで取り戻せます。2日以上飲み忘れた時は、避妊効果がなくなっていますので、この場合は次の生理の1日目から新しいシートを飲み始めて下さい。 この期間はコンドームなど、ピル以外の方法での避妊が必要となります。また、低用量ピルは一度に摂取するホルモン量が少ないため、副作用も比較的少なく、女性の体にとって安全な薬と言えます。

 

モーニングアフターピルの避妊効果

モーニングアフターピル(緊急避妊薬)とは、多めの黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)を一気に摂取することで、子宮内膜を半強制的に剥がし、受精卵が子宮に着床するのを阻止することで、妊娠を防ぐ薬です。 受精卵が子宮に移動し、柔らかく厚い子宮内膜に着床したあと、胎児として発育していくというのが「妊娠」ですが、その子宮内膜を黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)を飲むことで強制的に生理を起こして、受精卵を着床困難にしてしまうのです。避妊効果が非常に高いことで知られていますが、最も効果的なのは性行為の直後に飲むことです。以降、時間が経過する毎に避妊効果は下がってゆき、性行為直後なら約95%の避妊成功率のところが、72時間後では58%まで下がってしまいます。要するに、飲むのが早ければ早い程効果的だということです。そしてモーニングアフターピルは、危険な性行為のあと、72時間以内に飲まなくてはならないというタイムリミットがあります。これは何故かというと、受精後、受精卵が子宮に着床するまでは、長くて72時間掛かると言われているからです。

 


避妊目的以外の場合

低用量ピルはほぼ100%の避妊効果が期待できる薬ですが、その他にも副効用がたくさんあります。例えば、生理痛の軽減、月経量の減少、生理不順の改善、PMS(月経前症候群)の緩和など、女性にとって、生活の妨げになりかねない辛い症状が改善されるのです。 また、ホルモンバランスが整うことで、生理前にニキビが出来たり肌あれが起こるという悩みも無くなりますし、生理予定日の「ずらし」が簡単にできるので、生活習慣の至るケースで役に立つことばかりです。排卵を抑えることで卵巣を健康的な状態にキープし、卵巣癌や良性卵巣腫瘍などにかかる心配が下がるのも特徴的です。

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①月経に関連する副効用のいろいろ

・月経困難症(月経痛)の緩和
・月経血量の減少、過多の改善
・月経不順の改善
・子宮内膜症の予防と改善
ピルを服用したら、子宮内膜があまり厚くならないうちに月経が生じるので、出血量が減り、子宮収縮も抑えられて月経痛が減少されます。子宮内膜症になりにくくなるというレポートもあり、すでに子宮内膜症にかかっている場合は、進行を遅延させる事も可能です。また、生理の周期が規則正しく28日周期に収まるので、生理不順への治療改善効果があります。1カ月以上前から調整すれば、生理日を変更することも可能です。

②ホルモンバランスの改善による副効用

・月経前症候群(PMS)の鎮静
・にきび、多毛などの改善
・更年期症状、骨粗鬆症の予防
月経前症候群(PMS)の症状が重度の方は、ピルを服用すると排卵前後のホルモンの移り変わりが無くなるため、これらの症状が収まります。 また、ピルには、男性ホルモンの作用を抑えてニキビや多毛症を減らす効果や、ホルモン状態を安定させて更年期症状や骨粗鬆症を予防する効果もあります。


③排卵を抑止することによる副効用

・卵巣がんの予防
・卵巣嚢腫の減少
・子宮外妊娠の減少
排卵による卵巣の損傷が減るので、卵巣がんや卵巣嚢腫などにかかるリスクが低減します。

④長期間服用による副効用

・乳房良性疾患の予防
・骨盤内感染症の予防
・子宮体がんの予防
ピルに含まれる黄体ホルモンが子宮内膜を保護するので、子宮体がんにかかるリスクが低減します。 また、子宮頸管粘液が変容して、精子だけでなく細菌やウイルスの子宮への進入を防ぐので、卵管炎や骨盤内感染症など不妊の原因になる病気にかかりにくくなり、不妊の予防につながると言うわけです。
卵巣癌は、卵巣表面の上皮細胞から発生することが多いです。排卵は「破裂と修復」とよく言われますが、排卵が起こることによって卵巣上皮が破けたあと修復されるという現象が発生しています。これを繰り返しているうちに癌が発生すると言われています。

 

 

⑤美容目的での利用

近年では美容目的で服用されることが注目されています。 2006年に社団法人日本産婦人科学会が、ピルの使用のガイドライン改訂版を発表しました。(正式名称は「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」) これによって、ピルの処方のハードルが一気に下がりました。と言っても、1999年に発表された最初のガイドラインが諸外国のものから大きく脱線していたために、実際的には「諸外国と同じようになった」というのが正しい考え方です。 ガイドラインが改訂される前は、ピルを利用するまでに数々の検査が自費で必要でした。ガイドラインの改訂で処方前の必須検査はほとんど不必要となり、必要な人に必要な検査をおこなうのみとなりました。その結果、薬代以外の料金がほとんど不要になったというわけです。 以前はピルと言えば「避妊」のために使うものというイメージが一般的でしたが、最近はそれ以外の使い道に利用者する女性が増えてきています。具体的には、ニキビの改善、経血過多や不正出血の治療、生理痛の緩和、貧血の改善、などに用いられるケースが目立ってきており、これらの効能についてはガイドラインにも明記されています。
ヤーズなどの第四世代の超低用量ピルは、使われている合成黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)がドロスピレノンという新しい成分です。ドロスピレノンは、これまでの合成黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)とは異なって、男性ホルモンからではなく、利尿ホルモンをベースにして生まれました。このため、低用量ピルの厄介な副作用として知られるアンドロゲン作用(男性化症状)の典型的な症状である、大人ニキビの発生がかなり抑えられることとなっています。また、利尿ホルモン由来ですので、体の余分な水分が排出されやすくなり、むくみが取れるようになっています。 大人ニキビが抑えられ、むくみがとれることから、「美肌で痩せるピル」として人気になっているのです。